「冗談にしてみせる」
菊尾

残して
捨てられなくて
腐らせていく
そんな君が嘆いてる
保存が下手な君が
声にも出来ずに繰り返す

昼が終わったら眠りたい
夢に出てきたあの場所を探している
冷え性のその指はまだ冷たい
いつだって未明でいたいから
抽象的なニュアンスで楽しんでいる

もぬけの殻だって動けるよ
見ない振りが上手だね
都合のいい事象を奇跡と呼んだ
救われたいとか許されたいとか
誰も気にしてないし目にしていない
自ら狙って撃たれているだけです


「普通、時々、異常が理想です
 それで時々を使いこなしたいのです
 贅沢でしょ」

冗談にして君が気を遣う
それに「贅沢です」と返しながら僕は笑う


無視したって追い抜けない
幻聴は幻蝶に変えられるのさ
高水準の綺麗事を真理にしたくって
いつでも願うことに執着している
幻だって掴んだ記憶を信じたい
過去形にしたくないっていう理由
それだけでいいんだって、そう思える


君はそこで崩して壊した
それを証明できるから
納得できたらここまでおいで
霧の中のとあるベンチで
足音に耳を澄ましてる


自由詩 「冗談にしてみせる」 Copyright 菊尾 2007-12-31 05:06:20
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