迷子
もろ

昨日とは違った路地に入って
突き当たり
何度でも右にすすむ。

真っ黒な姿をした
自転車の二人組みが
通り過ぎて

背中に
なにか触れたような
気配、
振り返れば
真っ暗で戻ることが出来ない。

世界が
ゆっくりと傾いて
また
右向きにまわりはじめても
何も変わらない、
どこにも行けない。

足元の左側から
影が私を追い抜いて、
今日の風は
緑色をしていた。

「迷子になりました」
だなんて、
言ってはいけないと
そう誰かに言われた気がした。



自由詩 迷子 Copyright もろ 2007-12-31 02:28:44
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