プリズムホワイト
松本 涼

水の中に両手を
そっと差し入れ
泳ぐ魚の影を
そのくねりを
掬ってみたいと
思うのです

光と私はいつでも
とても遠い場所で
落ち合うけれど
必ずまた会えることを
知っています

あなたに貸した
本のことなど
どうでも
それはただの
モノなのです

いま
夜を曲がったのが
朝へと連なる
風なのか
それとも先走る
私の旋律だったのか
少し気になります

けれど
私にとっては
ちょうどよく
冬です


自由詩 プリズムホワイト Copyright 松本 涼 2007-12-28 00:23:36
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