木漏れ日の下で
結城 森士

コモレビーム発射!!




この前4ヶ月ぶりに美容院に行った
それまで伸ばしっぱなしだったのだ
美容師は言った
「モッサモッサ!はい、ご一緒に!モッサモッサぁぁ!」
「・・・」←僕

心に傷を負った俺は回転椅子の回転とその遠心力を利用した真空烈風脚をお見舞いした
だが彼女は全く動じなかった
そればかりではない
「頭デカッ!頭デカッ!」
と更にはしゃぎ始めたのだ
繰り返し、2回も言った・・・
これはさすがに温厚な僕でも絶対許せない
シャンプーしてもらう時に
「痒いところはないですか!?」
と聞かれたので
「背中がちょっとな!!」
とカウンター攻撃
さすがの彼女もひるむと思ったのですが
「あっはっは!さっき背中に髪の毛数本入っちゃったぁああッ!」
「…ッ!?」
ク、ロス…、カ…ウン…ター… か
い、良いパンチ…貰っちまったぜぇ…

レフェリーのシルエットと人差し指
遥か高みにある天井のライトが
酷く眩しく感じられた
歓声が地鳴りのように
全身に響いてくる
あぁ 俺 負けたのか
そして鳴り渡るゴング



まいったぜ美容師
あそこで、とどめを、
業務上過失ならびに高笑いで来るとはな…
さすがに美容師だ
まいったぜ…
完敗だ


俺は真っ白な灰になった
木漏れ日の下で…



コモレビーム発射!!


自由詩 木漏れ日の下で Copyright 結城 森士 2007-12-25 12:43:49
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