きれいなもの
hope

 
 
 
 (とうとう目が覚めた)

力無く涙がながれていた。
汗ばんだ頬に髪が纏わりついていた。
カーテンの隙間からオリオン座の左下で一際輝く星。見えて。

「だれもわるくないんだよ」

だから、また目を閉じてしまいたくなるの。
運命の【すごい予感】は全部がきっと、嘘。

(明日乗るバスがこなければいいのにな)

世界は今日も美しくって、それとおなじくらいの【影】だって、きっと。
窓辺で揺れるカーテンの、その【揺れかた】のように、全部がどうでもよくなってしまえばいいのにな。

(ねえ誰か…)

この美しい世界を洗って。

ひとりぼっち。

真夜中は怖いから、やっぱり目を閉じるね。


(おやすみなさい)





自由詩 きれいなもの Copyright hope 2007-12-23 16:35:44
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