しろいひと
服部 剛

かすみのかかる朝 
交差点を横切る車の窓に 
雲間から射す 
日が光った 

( 冬の澄んだ路上に浮かぶ 
( かたまった光の残照 

次の瞬間 
「通りゃんせ」の唄は流れ 
青信号の「しろいひと」の姿勢で 
まばらなむれは 
そろえた足を踏み出す 

目に見えぬ 
法則の手に背を押されながら 
なにもかかれていない標識を通りすぎ 
首のすきまにマフラーを巻く 
機械仕掛けの背の群は 
今日も進む 

木枯しに枯葉の舞う 
冷たい道の向こうに立つ 
今日という日の門へ 
すいこまれる 

しろいひと 








自由詩 しろいひと Copyright 服部 剛 2007-12-15 08:11:31
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