白い顔
こしごえ



最後まで
射しこむ視線
うっとりと透ける黄金の光に
浮かびあがる白い顔が沈黙をまもっている
一瞬間、

じゅうりんされた庭に
咲く血の花が
わたしの静脈でかおる午後

いくつもの告白を聴く耳が
枯れることのない青い空で
傾いていく雲のほとりを

しずけさがほう和する
空ろな求心力に
冴えてくる光神

さざなみが眠るころ
幻の月が
えん岸で まきを焼べる
さてさてにべもなく燃えてゆくすじ道
今晩は とあいさつをしても
日の暮れたほうを指さすばかり

、と
われにかえったような吐息
されど沈黙は破られず
一瞬のあとも……









自由詩 白い顔 Copyright こしごえ 2007-12-12 11:21:56
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