呼吸
小川 葉

手を繋ぐと
聞こえる音が
聞こえなくなりそう

明日のように曖昧な
昨日の出来事のように
今はまだ
起こるべくして
始まるべくして
ただ静かに
呼吸をしている

空が遠い
あの星星のように
星座を象って
結ばれている魂が
朝の訪れとともに
消えてしまうのは
何故でしょうか

手を繋ぐことで
見えていた形が
心が
喜びが
悲しみが
さみしさが
求め合う気持ちが

わたしたちは
もう一度
声を聞くことで
確かめ合い
顔を見つめ合うことで
生きていることを感じ合い
また時には
愛と言う
失いそうな言葉を
口にしてみるがいい

手を繋ぐことの
尊さの意味は
知りたくない時ほど
考えてみたい
繰り返される呼吸の
音を聞きながら


自由詩 呼吸 Copyright 小川 葉 2007-12-12 01:25:43
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