僕はよっつの数列も覚えられない
だいたばし

彼女はなぜだか気付かない
たとえばときどき僕が抱く浮気心に。
ほんのいっしゅん抱くだけだけれど

彼女はたぶんぼくの詩を読めない
理解はできても
言葉のさけめから臭いたつ
臭気をかぎわけられない

だから
ここにいる誰よりも
僕のことを知らない、きっと。
僕が僕のことを知らないのと同じくらいに

彼女は僕のことを知らないだろう
僕が持っている
役立たずの心のことも
ぜんぶ

このことを想うと僕は泣きたくなる
愛していると鼻がかってに泣くんだわかるかい
そして死ぬまで一緒にいたいと
思う
だってわかりあえないんだ
わかる?

わかりあえないことは
やさしいんだぜ
彼女は
やさしいんだ
わかる?

ワイシャツをひらいて
胸をひらいて
肋骨ひらいて
心をひらいて
みてみて
これが僕だよ
真っ赤な宇宙なんだよって
したら
彼女はどんな顔するだろう


それがあーーい!

愛してる!ちょうだい好き、だから僕らすぐにも
結ばれよう

たぶん彼女は
嫌な顔をせず
僕のジョークに
悪のりするんだ

そしてささやく

あなたはよっつの数列さえ覚えられないじゃないの
またひらきなさい


自由詩 僕はよっつの数列も覚えられない Copyright だいたばし 2007-12-11 23:34:47
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