夏の思い出
いねむり猫


天空に差し伸ばされた腕

その指が指し示す星空の無限

「私に能力さえあれば それらにとどくはずなのに」

思いこがれるのではなくて
自分を その思いに乗せて鋭く放つ
その思いの苛烈と純粋

後に何一つ残さない 
はかない己のあまりの軽さに 揺るがない
こがれるものだけを見つめる熱狂

いつか 夏のキャンプで隣に座ったその女が

細い腕を空に向けて 小さな声で
呪文のように語った願い

その思いに触れて 背骨が震えた

完全燃焼の夢 その危険な共感
腕が触れ合った熱と青臭い吐息




自由詩 夏の思い出 Copyright いねむり猫 2007-12-09 17:47:01
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