赤いみみたぶ
砂木

土飼いの葉ソリが吹く
赤耳にみかづきクレヨン
地下で数えた爪のおしゃべり
ワン・ナイト

ふさに届いた指に
触らないおとぎ話という
誠実なウソから間違えた
抜け殻の中の蝉
飛んでいくのにいつまでも
その殻ばかりに許してる
ワン・
ナイト

つままれた毛糸から
赤い実がこぼれる
舗装された道には
かじりつけるものはないよ
おりてごろんよ ごろん ごろん
焚き付けて青く自分
もっと 青く そうっと青く おりて
おりて・ナイト

屑が汚れてた絵から立ち去って
拍手を残そうとする
ヤカンに入っているのは水だと思うかい
実はお湯だったんだ
飲めない種類の味じゃない
興味あるだろう 暖まりたいだろう
ナイト

のされていないふりだけしたくて
屑ですか まともじゃありません
フォチキスで残した痕 
つっかけて追わせたいですか
おお楽園よとでもいいふらし
マイ・ナイト

のばせない土の上にみたてた影絵
住めないけれど追伸で降りていくよ
星明かりには ただの葉っぱの一人劇
眠らないで眠らせないで
枯れて続いていく緑の日々
赤い耳たぶに揺らぐ三日月
ワン・ナイト・




自由詩 赤いみみたぶ Copyright 砂木 2007-12-09 15:20:56
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