水道環
湾鶴

[水道管は、壊れています。前の駅を発車しました。]
 

水圧で 蛇口が外れそうになってるじゃないか!
こりゃいかん、いかんぞっ


「垂直に、屋上より、103号室まで
特急 ミズカモメ はいります。」

「キッチンより外側へ、お逃げください。」

99――999―――9−99999999999


おお、いかん、バスタオルじゃ間にあわん

「駆け込み乗車は、ご遠慮ください。」


くぅ、このまえ買ったばっかりなのにっ
背中まで、びっしょり
前がみえない・・・
ぶぽ、ちょっと誰か呼ばないと!

「他人のご利用は、水道ペースメーカーに影響を・・・」


ぢょぇ、これ虫?
今度から浄水器つけないと
いや〜こんなもん、飲めねぇ×

「車内では、乗務員がドリンク清掃サービスをおこなっております。
 お気軽にお声をおかけ下さい。」

       

え、え?ちょっと、ほんとに、水 とまんないよー

「麻のラグマットより、各駅停車に変わります。」



「次は茶の間〜、茶の間です。電気製品等の
 お忘れ物のないよう、ご注意ください。」

あーここまで来たらいいっす・・・、がぁーうぅー

・・・流れるだけ流れてちょうだいっ
もう抵抗せんと、黙って座ってますよ・・・



リンロン
「ご乗車、ありがとうございました。
終着までごゆっくり、おくつろぎください。」



自由詩 水道環 Copyright 湾鶴 2004-06-16 00:19:21
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