水色
大覚アキラ

おれはきっと
あんたが死んでも
泣いたりなんかしないし
この先二度と
あんたに会えないとしても
たぶん平気だ





たぶん ね





実際のところ
ほとんどの関係性は
その程度の濃度でしかないと
誰もが薄々は
気づいているのかもしれない





さびしいな
素晴らしくさびしいよ
この澄み切った世界





死ぬのが怖いんじゃないの
わたしが死んだあとに
みんながわたしのことを
忘れてしまうのが怖いの






彼女は言った





なにもかも置き去りにして
痛いほどの速さで
引きちぎるようにして
ここから飛び立って行きたい





怖くなんかない
どうせ
なにひとつ
最初から繋がってなど
いないのだから





こんなにも
澄み切った世界に
涙など不純物でしかない





この世界が
果てしなく
水色になればいい





澄み切った
うつくしい水色に





祈りは必要ない


自由詩 水色 Copyright 大覚アキラ 2007-12-06 13:45:07
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