片時雨
未有花

暗闇に指と指を絡ませて
ほろ酔い肌のぬくもりに酔いしれる
熱いときめきが過ぎて行く
あなたは真夜中に背を向けて
私を抱いている時も夢の中でも
他の女性ひとを抱いている

ひとたび目をつむれば心の中は
冷たい片時雨が降るばかり
爪先に落ちる雫は私の涙
このまま流されてしまうのもいいけれど

私のまつげを濡らす片時雨
あなたの腕の中では止んでおくれ
せめて雨宿りするほどの
あなたのやさしさがあればいい
私を抱きしめてくれる腕があればいい
それだけでかまわないのに

あなたに抱かれるたび心の中は
冷たい片時雨が降るばかり
爪先を濡らす雫は私の涙
このまま流されてしまうのもいいけれど

いつしか晴れてもまた雨の繰り返し
このまま流されてしまうのもいいけれど


自由詩 片時雨 Copyright 未有花 2007-12-04 12:20:11
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