カーテンを厚く閉ざして
beebee



日曜日の昼下がりに
ぼくは窓に厚いカーテンを降ろす
日は高く空気は膨らんでいる
日光を部屋に入れてはいけない
厚いカーテンを降ろし
コカインを傾けよう
頭脳を混濁させ
熱い眠りの快楽に
体を弛緩させる
午後
都会人の快楽
さあ
コカインを傾けよう
精神を堕落させよう
肉体は今日一日の緊張から解き放たれ
静かに寛いでいる
アルコールランプが燻り
部屋の空気は扇風機に攪拌されている
物憂い初夏の昼下がり
部屋を厚いカーテンで閉ざし
身体を閉じ込める精神の内
立場は今逆転する
日中の重要なものは悉く意味を失い
何でもない精神の翳りこそが今一番重要なのだ
精神の怠惰な物憂さの内に
人間の一生を生きるのだ
午後
鮟鱇のようにくわえ込み過ぎた雑多のものを
精神を惑わす悉くの物を吐き出そう
どくどくと
脈打つ血管の
痛みこそ
身体は知っている


自由詩 カーテンを厚く閉ざして Copyright beebee 2007-12-01 21:08:33
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純情詩集