午前四時はいつも偽物
たりぽん(大理 奔)

反射望遠鏡を捨てよう
届かないものを
手に入れたと
思いこむのはもう

   自分の影が見えるだろう
   背を向ければ
   道はそこにあり
   わたしにはまぶしすぎるのだ

そうして、だから
まず暗闇に身を置いて
ぼんやりとしたものを
あしもとに見るだろう

それは届かないものが
与えた輪郭

   写真機を捨てよう
   憶えていないものまで
   焼き付けることで
   思い出を捨てることは

綺麗でもなく、正しくもない
強くもなく、儚くもない
           指先に残る、小さな体温

言葉も捨てよう、届かないなら
手のひらに包み込む指先の
それが言葉ですらないのなら





自由詩 午前四時はいつも偽物 Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-11-26 00:03:31
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