メモ
しゅう

月明かり煌煌と
照らし出す方向に
踏み出したおれの影を
振り返りなげく
投げ出した物事に
宿っていた
忘れ去った言の葉

震えながら
古傷をなめあっている関係

今夜月の海で会う
泥の舟で漕ぎ出す
もがきながら抱き合う
溺れながら愛する

いつか月の海で会おう
泥の舟で漕ぎ出そう
もがきながら抱き合おう
溺れながらも愛そう

星が生まれ死んだ日
僕と君が出会う日








90秒を想定。dから加速していく。エンドレスループすること。


・2


透明な夏休み。
少年 カレンダー 日付のない ビニールがさ 地下鉄 水鏡 跳ね上げて 積乱雲 カエル ダイオキシン

・喪失感
・虚無感、空虚さ
・再生
・水、境界
・名づける、行為
・地球、エコ(笑)

地下鉄のドアを抜けて
すれ違った風のぬるさ に
降り出した雨のにおい、かいで






美しく清浄な街並みの真ん中
まだ僕は正上位じゃいけやしないんだ

アレルギー体質じゃ、生きれねえよな連日
息抜きも、一抜けも出来ぬような現実
夢のようなストーリーには
フィクションの注釈
君はもう、注射器の痕を隠そうともしない



空も海もそこにあるが
羽もえらも持ってない
立ちすくんだ両の手には空っぽの言葉



生れ落ちた苦しみを踏み越えるそのたび
踏み出したすぐそばでうたわれる喜び
失ったことさえも美しく飾られ
何をどこでなくしたのか、僕はもうわからない


(走り方、正しいフォーム)
飛び方や泳ぎ方は、本に書いてあった
泣き方や笑い方も、文字の上で知った






美しく正常に機能する街並み
違う朝が何度きても、いけやしないんだ

さび付いたギアをひとつ、あげて走り出した
あぜ道にタイヤふたつ、とられ転げ落ちた
不恰好な二人乗りも、それはそれで結構


・頭韻を試みることは可能か
・体言止めの多用は美しくないのではないか?


原始的なダンスさえも踊りきれぬカラダからは
やせた骨が薄い肉を突き破り、飛び出た



/


縫い付けた皮膚。
名札。
名づけられたもの。果て。終わり続ける世界。終わったあとの世界。
ピクニック。袋小路。行き止まり。ぺんぺん草も生えないような。
ここで、おしまい。




/

月明かりに満足できず、夜に火をつける
粉々に崩れ落ちた太陽のレプリカを、虫たちは齧り続け
こおろぎも、げじげじも、ぱんぱんに膨らんで
やがて互いの節々を、傷つけ合う

/


けものみち

ひづめの割れたピンヒールはいて、痛むかかとを引きずり歩く
そんな足じゃこんな町で生き抜くことは困難
赤くはれた目玉さらし、かかと踏んだ靴の底で刻むビート
ワンツーステップすってんころりん
お休みなさい

野良犬の消えたビルの陰で
ナナシのケモノが身を寄せ合う
互いの違いを互い違いにからめては、
かみ合わないといがみ合う

この町はあまりにも美しすぎる
かつてのケモノはのけ者にされ
自ら名前を捨ててしまった

森の王は檻のなかで
深く嘆き傷つき
空を眺め涙たれて、やがて倒れ、絶えいく
ナナシのケモノがその死肉を漁る

(これは)罰か

現在の状態を現代の原罪と呼ぶなんてあまりにも馬鹿馬鹿しすぎる
シームレスな日々のなかで埋もれゆくネームレス
開く扉、取り返す獣たちのナマエ
見えぬ敵の正体を明かすためのショータイム



聞き耳をたてる前に
君がここで立ち上がる
意味を探す日々のなかで
旅立ちがやってくる

太陽の燃え落ちる朝にそれがやってきても、
何も怖くなんかない
何も怖くなんかない
何も怖くなんかない


燃え上がる平原に平然とたたずむ
打ち砕くファンタズム
稲妻の閃光が平行線上から、かき鳴らす咆哮の指し示す行動心理学的衝動
を僕はどうしよう
ありふれた羅針盤、からはあふれでた裸体

/

引きこもりのドットコムガイ、ドットコムガールは
脱兎のごとく町へ抜け出す

/

ゆがむ空想の船に乗り
漕ぎ出す海鳥の泣く空に



未詩・独白 メモ Copyright しゅう 2007-11-25 02:56:14
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