たそがれ
石瀬琳々

夕影がひたひた伸びて心ぼそい
    手の鳴るほうへ手の鳴るかた


最後まで残るこわさに二人して
    遊びなかばで遁げるたそがれ


終わらない遊戯にも似る夕暮は
    かごめかごめのその輪のなかに


泣いた鬼電信柱の暗がりに
    白い手だけが招くやさしみ


やるせなく空き缶ばかりころがって
    角を消えゆくたそがれの影




短歌 たそがれ Copyright 石瀬琳々 2007-11-22 14:14:13
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薊道