お尻
捨て彦

「 メカが きかいきかいしてる 」
って言うので
振り向いてみたら
君は
とても
くうちゅうを歩いていたね
( 算数では解けない質問です)
( もちろん、算数では解けない質問ですよ )
見上げても
雑踏に僕たちが立っていたのは
ほんの数分で、


見たこともないほどの全裸美人だったので
「 素敵だよ 」
って転がっている君に
言いたかったのに
喉が枯れてて声が出ない


目の端のほうで
おさるのお尻が見えた
円盤に乗り込むために
片足を突っ込んでるところみたい
赤いお尻がこっち向いてるよ
ビール


ビール、おかわりどうですか
って頭の上から聞こえて
見上げたらトサカの兄ちゃんだったので
なんだファッションパンクか
( 吐き捨てて
きっとこっちを睨んだトサカの目の中の草原に
またたくまに 尾をひいて おさるが飛び込んだ )
赤いお尻がこっち向いてるよ
お勘定。


千円札の漱石に
顔を近づけて
じっと見ていたら
突然口が開いて
ミサイルが発射された
それはほんと
ふんぞり返るくらい痛かったよ
目の中はフラッシュに星がひらめいて
おさるが向こうに飛んで行くのが見えたけど
やっぱ後ろ姿しか見えないの


じゃあ、
僕は大八車に乗って
追いかけるよ




自由詩 お尻 Copyright 捨て彦 2004-06-12 11:53:53
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