目で追え
佐々木妖精

自分から目を離すことができない
離した瞬間
時間が粉砕されバラバラの破片となり
その今という破片がなんの脈絡もなく断続的に出現するのです

破片を渡し石として今を飛び越えていく時
その下にある闇の深さに凍えます
今いる時間から
次の場へ飛び
それにしくじった時
自我は海より深い夜に溶けて消えてしまうでしょう



29年もかかったのに・・・!



足場を確認するごとに
このあまりにも脆弱な存在が悲しい

静止した自分を幾度となく観たことはあるのですが
動いている自分を見た事がありません
この身体は確かに自分であったはずなのに
今となっては時間と生活のものです



今日は
古ぼけた紙を、窓口から1枚取り出し
それを青白い紙、紙幣
銀色の金属、硬貨
そして梨や牛肉と交換するという
小難しい狩りを行いました
ルールが難解でどうにも把握しきれないのですが
流行りの猟は紙に文字で模様を描き続けることみたいだ


自由詩 目で追え Copyright 佐々木妖精 2007-11-16 21:00:22
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