秋雨
湾鶴

今日は 雨
傘さして街中を歩く


水たまりに広がる波紋は
ゆっくりめのリズムをきざむ


蛙の鳴かないこの季節には
お決まりの「曇の日ソング」を口ずさむ


空を仰ぐように足をあげて進み
落ち葉を踏みしめグングン行くと
傘をたたみはじめた人々と出会う

東の空にはオレンジシャーベットのような
透明でうすい光がもれはじめてきたが
すぐに厚い雲に覆われてしまった


すっかり陽が落ちて 街灯の出番になったころ
ふたたび雨足は強くなり

まだまだ止みませんからとでも言うふうに
水たまりをバシャバシャと跳ねまわり
風とはしゃぎはじめてしまった





自由詩 秋雨 Copyright 湾鶴 2007-11-13 12:37:07
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