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月見里司

ずっと
背伸びをしていよう
10センチだけ高くなる
視界に
感慨があるうちはそうして

ただ一列に並べられた
交差点は
信号機は
佇んだ
その左折標識を

そこは明るい
そこは暖かい
そこは最も
描かれていた幸せに近い
靴は履き替えられて
旧いものは
きれいに揃えられたまま
打ち棄てられて

白線のうちがわで
手を振っている
人影がどんどん
伸びていって
直進する
赤信号は
左右に浮かんでいる

枯れた
ススキのように
人間ではない部分を
撫でている手が一本ずつ
増えるころには
そこに君がいない
から


//2007年11月11日


自由詩 ここから先は Copyright 月見里司 2007-11-11 01:08:21
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