はちみつとーすと
マツモト


黒板にハチミツを垂らし
甘ったるい と
自嘲ぎみにフフフッと鳴いた

浮かれっぱなしの蛍光ピンク
深緑の俺の椅子はドタッと弾かれ
哀れな姿
「愛を!!」と叫ぶシェイクスピアを
蛍光ピンクは飲み込んで
ザワザワと大きな拍手をおくりやがった


「御一緒にいかがです?はちみつとーすと。」

「いや、私はこの洋梨で十分。」
まるっこい青林檎のウエストをキュッとしめあげ
満足げにグギェロと低音を響かせた

黒板にハチミツを垂らし
なんてダンディなのだろう と
目の前の紳士なカエルに会釈した


自由詩 はちみつとーすと Copyright マツモト 2004-06-10 19:16:17
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