ユーノウ
モリマサ公

はんがわきのスカートのつめたいひだがぶらさがりゆれてるのがみえる
道端にぶた草がさかんに咲き誇りきいろくあかるく
きめのこまかい空気を満タンに吸い込んで肺がふくらんだ
ガラス窓にぽっかり灯るアドバルーンの文字たちがさびしい
街路樹がそれぞれ紅葉しチルするたびに
アスファルトのわだちでブレーキパッドがきしむ
平らな鏡みたいなひかるみずたまりをはじいて
きゅうきゅう歯の噛み合わせをたしかめ
白目をこすると
いくつかの瞳孔が吸い込まれるように裏返る
重力がふわっふわっと失われ軸がぶれはじまる
前方のトラックがかしぎ懐かしい
どの町にも属さない風景の中をわれわれがとおりすぎる
体温がさらに一定の温度を保ち
さらに一定の速度でゆっくりとひざを折る
いつもの角度で雲の腹をなでて
中空のまるをなぞる






 


自由詩 ユーノウ Copyright モリマサ公 2007-11-05 16:54:22
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よあけ