死んで食べられたい
クリ

死んで食べられたい

僕が尊敬していた友達みんなに
おいしく摂取していただきたい
僕はの肉はパン
僕の言葉はワイン
みんなの口に合うことを望みます

僕の心臓が猪野君の胸で脈打つ
僕の角膜を通してユージが雪を見る
僕の血小板がMatthewの銃創を治す

僕の後悔がメグの指でコンチェルトになる
僕のレゾンデートルを牧原さんがニュースで告げる
僕のクォークがP子ちゃんの中で対消滅する

それは
夢のように素敵だ

マリアナ海溝のウナギの稚魚に食べられたい
ふるさとの川を遡る僕は狂おしいほどだ

僕は反エントロピーの代弁者
君に
食べられたい
誰かの詩に
回帰したい

死んで食べられたい

シャッターコーンさんに



                 Kuri, Kipple : 2004.06.10


未詩・独白 死んで食べられたい Copyright クリ 2004-06-10 01:48:25
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