帰り道すがら
湾鶴

すすけた茜のカーテンにつつまれてゆく君は
自分の瞳の裏側を見るように わたしをみつけ
やる気のないそぶりで わらう
足踏みを繰り返すが去っていかないところに
したしみ 
早口でしゃべる 西風ばかり
最近あったこと これからしなければならないこと
相槌に期待するところ なごやかで
ふれあいを休ませることなく
道路に赤線を引き500メートルを測る作業は
頭の袋が、たくさんあるからできるのでしょう。
私の袋は、さわめくカーテンでたくさんです。
ひさしぶりに放課後のような夕陽
恋愛錯覚症候群 わたしが中学生なら確実に
これって恋かしら?と鏡に問い まばたくでしょう
それほど みごとに広がったカーテンで いっぱいでした


自由詩 帰り道すがら Copyright 湾鶴 2004-06-10 00:36:37
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