争い
プテラノドン

 広場の真中を陣取ったトースター。順番待ちの
争いをはじめる鳩たち。宙を舞う、羽毛とパン屑。
それも毎度のことと、寝そべっていたベンチの上で
塗りたて注意の張り紙、その裏面に書かれた
求人広告にぼくは目を通す。それから、
枕のかわりに頭の下に置いたバックの中で
固形バターが溶けだしていくのを感じている。
やがて甘い、しみが広がる。言わんこっちゃないよと、
母親は新たなシミ取り方法を考案する。
 せちがらい世の中。今こそ戸棚の隅に追いやられた
瓶詰めハチミツの出番。叩き割った地面に
群がる蟻たち。争いは絶えない。



自由詩 争い Copyright プテラノドン 2007-11-03 14:27:53
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