恋に問う
umineko

恋がまだ私に生きていたころ
私は

夏の校舎を一周する
鼓笛隊のパレードだった


恋がまだ私に生きていたころ
私は

夕暮れを味方につけた
見えない星だった


恋がまだ私に生きていたころ
私は

ことばを放つ大空の
無限の青だった


恋がまだ私に生きていたころ
私は
だが気づかなかった

恋は
やがて年老いて
いつしか病いに伏すもの、と


世界中の祈祷師を頼み
あらん限りの秘薬を乞うも

私は
恋を救えない


恋よ
私の両手の中で
息絶えてゆくいとしきものよ


消える前
私は問いたい

私に
生きゆく意味はあるか、


 
 
 


自由詩 恋に問う Copyright umineko 2007-10-27 23:11:00
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