蹴りたい田中
合耕
空き缶だらけの中から割り箸を見つけて
しかも 割れてなかったから割ってみた
それだけだ
見通すことも 燃やすこともない
トイレの壁紙はお前のシャツの柄に似てくるだろう
その薄い胸毛を 蹴りたい
巨大な円筒形に触れば すぐに気づいて
充電池を温めながら
大きな合図を交わす
考えてる頭は綺麗に汗を流して
それが乾く食堂では
すっきりと梱包された椅子が並ぶ
いつもと同じ砂漠に足を向けても
蒸気の代わりに今日は
ロケットが吹き出されるかもしれない
そう思い 思い浮かべた場面に
お前はまた割り箸を握り隠している
その曲がった唇を 思いきり蹴りたい