蹴りたい田中
合耕

空き缶だらけの中から割り箸を見つけて
しかも 割れてなかったから割ってみた
それだけだ

見通すことも 燃やすこともない
トイレの壁紙はお前のシャツの柄に似てくるだろう
その薄い胸毛を 蹴りたい

巨大な円筒形に触れば すぐに気づいて
充電池を温めながら
大きな合図を交わす
考えてる頭は綺麗に汗を流して

それが乾く食堂では
すっきりと梱包された椅子が並ぶ

いつもと同じ砂漠に足を向けても
蒸気の代わりに今日は
ロケットが吹き出されるかもしれない
そう思い 思い浮かべた場面に
お前はまた割り箸を握り隠している

その曲がった唇を 思いきり蹴りたい


自由詩 蹴りたい田中 Copyright 合耕 2004-06-06 23:31:23
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