最近いつも二人
ふるる

秋が空気を包みはじめている
なんだか最近いつも二人でいる

コーヒーにミルクしか入れない
薄いこげ茶って秋っぽい色
髪、伸ばしているの
首筋が寒いから

風が落ち葉を舞い上げて
ほっぺたにぴちぴち当たる
ぱりぱりさくさく踏んで行くと
音で
歩き方が分かるよね

雲、薄くたなびいて
空が澄んでいる一日
もう一日
また一日
なんてことなく
なんてこともない

あのコーヒー豆ついでに買おかな
味の違いについては分からない
好きの違いについては分からない
激しくはないから
でも
買い物中でも思い出すよ

電車のつり広告も秋色
映画観る約束
いつって聞いてないけど
これ、観るんだよね

メールを送信
もう一通
また一通
連絡事項のみ
のみだけど

カフェで待ち合わせは二度目
何を頼もうかな
コーヒーにミルクだけ
うつったかな
どうしようかな

少し楽しみ
これからする会話のこと

そういえば
すごく好きだった人に告白せずに終わって
どのくらいたったっけ

落ち葉が生き物みたいに
とんとと踊るのを見ている

秋が
秋なのに思い出を手放して
表通りをぶらぶら歩いて行く

コーヒーと同時にやって来たけど
何を話そうとしていたんだっけ
忘れちゃった

ああ、その歩き方のこと

また一日
なんてことなく
なんてこともない

そんな感じで
最近いつも二人


自由詩 最近いつも二人 Copyright ふるる 2007-10-11 00:51:05
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