もみじ
見崎 光

ひとしずく
感じる体温に赤らめる
小さくも力強い様相


白い華、ひらり
舞うころには地上の衣となり
還りを待つ温もりと化す


ひとしずく
染まるは心
幾通りもの模様に揺れ
指を織っては、また染まる
繰り返しを経ても
決して同じところへは流れない


羽毛の華、差し出す
刻みのリズムを子守歌に
注ぐ微熱はいつかの春へ
木枯らしは想いを馳せ
寄り添いに笑みを残すだろう


ひとしずく
ひとしずく
肌を捉える冷たさは
化粧を施し魅せていく
移る記憶を撫でながら
捧げ続ける柔らかな眼差し






未詩・独白 もみじ Copyright 見崎 光 2007-10-03 22:52:40
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