Presto(プレスト)
大村 浩一

濡れ縁に向かって
みずみずしい素足

包絡線ぎりぎりで飛ぶ
剥がされたもの
必要無かったもの

水に自分の貌を写したり
他愛無いうたにひるんでみたり
はるかな結末への
錯誤ははじまったばかり
倒を塔と言い換え
倒を塔と言い換え

そらに張弦のひくい響き
澄んだ怒号のような
そんな朝がまだあっていい
燃え尽きて秋のはじまり


  初稿 2000/09/05
  初出 「ユリイカ」2000年11月号
  改稿 2007/10/03


自由詩 Presto(プレスト) Copyright 大村 浩一 2007-10-03 06:36:07
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