表現
ANN
全て奪われたわけでもなく
全てが嫌いなわけでもなく
かといって全てを愛しているというわけでもなく
何もないわけでもなく
年老いているというわけでもない
なのにひとり ただ一人
一つの道の上を任されていて
その道に咲く花さえ
私と一緒には死んでくれない
オカリナを吹いたり
笛を吹いたりしてみるけれど
ふと誰かの面影や
誰かの思い出や
誰かへの思い、
で
いっぱいになってしまう
誰一人 この私独りの道を
死ぬまでずっと
一緒に歩いてくれるわけでもないのに
それなのに
誰とも同じ道を歩けないことに
ほっとしてたりするんだ
そういうことを繰り返していて
やっぱり
人を幸せに出来るのか
分からなくなる
人を愛していいのかさえも
それでも心は
操れるようで そうできないから
勝手に愛してる
だから 勝手にしおれたりしてる
受け取るものよりも
あふれ出てしまうものが
あまりにも多すぎて
その勢いを
人に全てぶつけてしまうのが
あまりにも怖くて
布団に入って大声で叫んでみたり
ペンを探しまわったりする
そんな私の上手じゃないところに
君が微笑んだりする