表現
ANN

全て奪われたわけでもなく

全てが嫌いなわけでもなく

かといって全てを愛しているというわけでもなく

何もないわけでもなく

年老いているというわけでもない



なのにひとり ただ一人

一つの道の上を任されていて

その道に咲く花さえ

私と一緒には死んでくれない


オカリナを吹いたり

笛を吹いたりしてみるけれど

ふと誰かの面影や

誰かの思い出や

誰かへの思い、



いっぱいになってしまう


誰一人 この私独りの道を

死ぬまでずっと

一緒に歩いてくれるわけでもないのに



それなのに

誰とも同じ道を歩けないことに

ほっとしてたりするんだ


そういうことを繰り返していて

やっぱり

人を幸せに出来るのか

分からなくなる


人を愛していいのかさえも



それでも心は

操れるようで そうできないから

勝手に愛してる



だから 勝手にしおれたりしてる


受け取るものよりも

あふれ出てしまうものが


あまりにも多すぎて



その勢いを

人に全てぶつけてしまうのが

あまりにも怖くて




布団に入って大声で叫んでみたり

ペンを探しまわったりする



そんな私の上手じゃないところに

君が微笑んだりする










自由詩 表現 Copyright ANN 2007-09-30 19:26:52
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