よりも
ウデラコウ

僕達は あまりにも 貪欲で
お互いについて あまりにも 貪欲で
僅かな欠片も 見逃すまいと
その手に しがみ付いているのだ

安心よりも もっと
保守よりも もっと

            奥の話

手にしても 手にしても 足りない
砂漠に堕ちる 一点の 雫のように
僕の中の君は すぐに枯渇して
君の中の僕は すぐに枯渇して

生き死によりも もっと
苦楽よりも   もっと

            元の話

君と僕
鏡に映し合うように ピタリと 重なる

そのウラに もっと 触れてよ
突き進んだのなら もう 戻れないのだから

そのサキの話を もっと聞かせてよ
中途半端に焦らして
核心を 誤魔化さないで

ほしい ほしい ほしい と
君を抱き締めながら 君を求める

頂戴 頂戴 頂戴 と
僕の胸に 顔を埋めて 僕を求める

止まりようが ないんだ
運命の輪は もう まわり始めたから

呼吸するより もっと
眠りに落ちるより もっと
             自由に

君を 僕は 愛して
僕は 君に 愛されて

僕達は あまりにも 貪欲で
お互いについて あまりにも 貪欲で

触れ合う瞬間に
全てが 色めき
七色に 爆ぜる

うんめいよりも もっと 運命らしい 話




自由詩 よりも Copyright ウデラコウ 2007-09-21 21:28:00
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