草野春心



  君のことを考えた
  深緑に閉じた公園で
  蝉時雨を頭から浴びて
  僕のことを考えた
  灰色と虹色の街の中
  唄いながら歩きながら



  僕は街に「好き」と言って
  街も僕を好きと笑う
  僕は君に「好き」と言って



  僕と街 殺す者と生み出す者
  僕と君 愛する者と佇む者
  心と心



  君のことを考えた
  頭が痛くなるまで煙草を吸って
  文庫本も読みはじめずに
  君のことを考えた
  ただ、会いにゆけたらと
  街は温かくそして哀しい



自由詩Copyright 草野春心 2007-09-08 08:13:56
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