秋は一夜で
亜樹

一晩経って
目が覚めたら
秋だった

もこもこと高く積み上げられていた入道雲は
とんぼがけをされたらしく
薄く平らくなっていたし
カキ氷のシロップみたいな色をしていた空は
いつも間にやら
赤ちゃんの産着のように柔らかい色をして
しおからとんぼを飛ばしてる
山だけはまだ青々と茂ってはいたが
夕暮れになれば
それすら真っ赤に染まるだろう

秋は一夜で訪れた
夏は一夜で逃げてった


自由詩 秋は一夜で Copyright 亜樹 2007-08-31 14:02:31
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