くちづけを…
太陽の獣
長い髪がその頬を撫でれば
僕も負けじと指でその頬を撫でる
その指をあなたの細い首に巻き付けて
ゆっくりと締め付ける
偽りではないならば
微笑んでみせて
そして両手で持った刃物を
僕の腹部にゆっくり刺して
何度も…
何度も…
やがてお互い目を閉じるでしょう
最後に映った人を想いながら
それは私が殺した人
それは私を殺してくれた人
それは私が愛した人
それは私を愛してくれた人
長い髪がその頬を撫でれば
僕達は涙でその頬を撫でる
偽りではないならば
目を閉じた後、
目を閉じた後、
唇を重ねましょう
自由詩
くちづけを…
Copyright
太陽の獣
2007-08-20 20:29:58