月下の死
本木はじめ

空中を喰うように宙を空中する
食べて抜け殻の氷の入った詩骸の群れで
多岐に渡る滝の逆流吹き上げる中空に
さめざめとした強引な偶然とぶつかる
唄が破壊しうる秩序と生活の規律の中に
いつまで居続けるつもり
乾いた川に一滴の涙沁み込むように沁み込む目線
そこを越えたらあなたまであと一歩
限界と臨界とが互いに譲り合う世界の隠されるしんじつ
朝に花咲く朝顔の群れに眠りを寝る少女
その手には手鏡を握り鏡には月映る朝の消え入りそうなぼんやり
突き刺さるように鋭くえぐるように深く曲線
視覚の死角さ寝転んで目を閉じてしまう前の光のあたらないだけさしんじつ
のように。巨大すぎるよ兄弟よ きみは丸で
僕と同じように存在の孤独だ


自由詩 月下の死 Copyright 本木はじめ 2004-05-25 23:02:25
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