ノート(白花)
木立 悟



誰もいない街を囲み
小さな白い花が咲き
低く宙に浮かんでいる



花粉と麟粉が
片目の奥に混じりあい
列を去ったものたちを見せる



薄く薄く固まった血が
蒼のなかから現れては
羽になり羽になり飛び発ってゆく



歌いながら片目を去る粉
ほどかれるように廻り
かがやいてゆく
宙の花をつなぎ
誰もいない色になり
ほどかれるように歌い
かがやいてゆく





自由詩 ノート(白花) Copyright 木立 悟 2004-05-24 19:42:29
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