この手
唐草フウ

この手が
いくつもいくつもあったなら
泣いて光をうしなっている
あの子の
背中を
なぜてあげたい
頬にこぼれるものを
ひろってこの川に捨てたい



この手が
いくつもいくつもあったなら
怒りにふるえる
あの子の
逆毛を
すいとってしまいたい
やさしさでこらえてる
石を
お山の向こうに 投げたい




自由詩 この手 Copyright 唐草フウ 2007-08-07 05:18:35
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