捨てて
ふるる

雷鳴が轟き
空はアルミホイル
蝶は葉の影
鳥は枝の下

荒野に佇む
独りの城
城壁は濡れて黒く
野ばらは閉じて久しい

稲妻が城門を叩く
開けたのは王女
嵐の日だからこそ
旅立ちに相応しい

全てを絡め取る
王のマイクロウエーブ
宝石で飾られ
妻を失って久しい

王女は何ももたず
蝶と鳥に別れを
それは世界へのダイブ
レンジの中のスパーク

振り向かず全てを捨てて


自由詩 捨てて Copyright ふるる 2007-08-06 20:06:05
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