廃墟ツアー作戦会議
狩心

俺達はそこで異常にセックスをしたが異常ではなかった寧ろ正常位だった
正しい行いの後で必ず天罰が下るように下痢を催したゲリラが俺達だった
墓穴を掘った思い出という尻のような場所に帰結する事は許されなかった
不潔で不滅の俺達が廃墟の中に広がって 尻を拭く素振りは見せてはならなかった
全てを垂れ流したまま

コンドームの中に正常さを見出した時にはもう遅くて
精子達が規定の範囲から溢れ出していた
国会議事堂から飛び出した精子達が全国民を想像妊娠させた

性的な衝動の中に
アスファルトのような固さがあったように
アスファルトの中に
性的な衝動があった
冷たい地面に横たわりながら
遠い天井を眺めた
俺達を囲む全ての建造物が人工的に作られていて
それはまさに輪姦だった
俺達は回し回され
されるがままに喘いだ
快楽は伴っていたが
そこに自らの意志とスカトロ趣味は挿入されていなかった

残念なことに
垂れ流されたものは
最新式の便所を通って綺麗さっぱりと洗い流された
跡形もなくそこにはふんわりと異臭が漂うだけだった
俺達はその匂いを頼りにいくつもの廃墟を探した
廃墟の瓦礫の下には必ず何かと何かに挟まれた死体が点々と転がっていた

あらゆるゲームを行った男達のせいで
女達の心はセックスレスに蝕まれていた
男の一部が女になって
ニューハーフの一部がセックスレスに歯止めを掛けようとしていた
顔面に精子を発射されたままでの講義は説得力を持たなかった

俺達のお腹の中にいる子供は巨大な陰茎によって犯され続けた
もしそれが想像妊娠で出来た子供だとしても
何かと何かがぶつかり合う音だけは本物だった

俺達は廃墟の中でセックスし続けた
異常ではなかったそれは寧ろ正常位だった
下半身のコントロールは出来なかったが
お互いの顔だけはしっかりと見つめ合うことが出来た


自由詩 廃墟ツアー作戦会議 Copyright 狩心 2007-08-05 23:20:28
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