クラップクライクラップ
黒川排除 (oldsoup)

商店街が天と地 逆手に線香花火

悪路にゴザ敷いて電子ルーレット回す一団

冷淡に吐き捨てるネジ 汽笛遠く

星座低い宿破れて何もない空

受け皿に砂糖盛り上げ相容れぬ

ポテチこぼすベトナムの底の青き澱み

空に浮かび上がる雷ひとの形

ほんの二千秒霧雨たり砂混じりのため息

糸吸い上げる気流は親指にげられない

患いとは窓近付くこと子ども写る

通報者に鐘鳴る教会からミルク

画用紙の白は血を吸うたびに白

小鳥をして絵画の奥は二度目の夏

空気は船空気は船二度繰り返す

海どこまでも展示物の廃墟の博物館

砂と塩どちらが悪夢であったか舐める

避雷針まっすぐでなく ぼくいいなり

子供の声木立に谺し小雨となる

激流ありあまつさえわたる塔に月

死線漕ぐ手は女のもの男ひとり


川柳 クラップクライクラップ Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2007-08-03 14:52:09
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