vis
ねなぎ

床に寝転がった際に
背中に違和感を感じて探すと
皿ネジが一個
転がっていた

ポケットの中で

取り合えず元に戻そうと
組上げてみた物の
どうしても一つ
ネジが足りなかった

何かが指に当たるが

最近の行動を考えるに
どうにも思慮深さが無いと言うか
自分で思い返しても
理屈に反している

山を撫でるのみで

何のネジかと思い出そうとして
見つめてみるが
M3くらいと言う事以外は
インチでは無いのではとしか思えず
ノギスも無ければ計れもしない

出す事は無いだろう

他の物で間に合わせようかと
考えて
箱を引っ繰り返したが
合う物が見つからない

いつの間にか

短絡しているのか
それとも元々なのかは
解らないが閉塞感を拭えず
考えも
纏まらない

無くなるのかも知れない

ステンでは有り触れていて
良く解らなければ
箱に放り込む事も出来ずに

それはそれで

そのネジが必要かと問われれば
見え難い事もあって
その部分が無くても
動かさなければ
問題が無いように思えて

良いように思えた

頭の中に違和感を感じて
首の骨を鳴らす様に
頭を強く振ってみる

どこかで崩れる

心当たりがあるのか無いのかも判断出来ず
取り合えずポケットに入れておいた

音がしていた

無理矢理にも積める事も出来ずに
そのまま空けて置く事にした

それでも別に

右耳から零れた塊が床で音を立てて
目の端に映ったはずのネジは転がって消えた

良いと思えた


未詩・独白 vis Copyright ねなぎ 2007-08-01 12:05:13
notebook Home 戻る  過去 未来