あなたの心はコンビニじゃ買えない
umineko

四ツ谷にもコンビニはあった
赤坂にもあった
渋谷にも日暮里にもあった
たぶん静岡にもあるし
屋久島にもあるだろう
たぶん

中央線を降りてしまうと
唐突にプリンが食べたくなって
私はコンビニの灯りを探す
ローソンの青
ファミマのみどり
セブンのしましま
なんだっていい

真夜中の
私のわがままを
かなえてくれるそんな場所
あの灯りがあるだけで
私は
少し安堵する

東京で
ひとりぼっちで
悔しいから地図は見ないで
すたすたと私は歩く

四ツ谷にもコンビニはあった
オフィスビルとちっちゃなお店を
照らすようにコンビニはあった

私は詩を書いている
私は伝えたい
「実験的な詩を書いたよ」、と
あなたは言った

人生に実験などないから
その意味が私にはよくわからない

私は
コンビニの灯りのような
そんな詩が描けたらいいなと思う
真夜中に
ひとりぼっちで
どこにでもあって
あたたかくて

そして時にはマニアでディープ
なぜにろうそく、みたいな
そんな詩

いつか偶然
描けるかもしれないし
それは
明日かもしれないし

私は元気です
あなたも
がんばれ

あなたの心はコンビニじゃ買えない
 
 
 


自由詩 あなたの心はコンビニじゃ買えない Copyright umineko 2007-07-30 08:15:16
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