立ち上る白い煙は天空の彼方へ
狩心

直観の鋭い者達が五文字以内の言葉達を垂直に並べると
頭のいい奴等が散文調で「ウンチ食う?を述べ始める
勿論それを食う筈もないので、直観の鋭い者達は怒り狂って
五文字以内の言葉達を四文字以内に省略し始める
頭のいい奴等は「益々意味が分からないと文句を言い始め
此処と此処がこうだから、此処が矛盾している!と絶叫する
オバケ屋敷の夢でも見ているのだろう
恐怖の加速は止まらない
頭のいい奴等は自動販売機に百二十円を入れて
ボタンを押しても缶ジュースが出てこない!と泣き叫ぶ
四文字以内の言葉達の巡業は険しさを極め
また一人また一人と脱落者が出始める
目的地に着いた頃には一文字以内の言葉達が垂直に立ち並び
たった一行の葬列として浮かび上がる
誰が死んだのかも分からないまま
頭のいい奴等が手を合わせ、お経を唱え始める
余りに恐ろしくて其れしか手立てがないのだ
お経を唱え終えると一行の葬列が余白の中へと消える
頭のいい奴等が時代の缶ジュースを飲みながらホッと一息ついている間に
直観の鋭い者達がもう既に次の言葉を垂直に並べ始める
一体何処から其れが生まれ、そして何処へ消えていくのか
あの余白は何だ?なぜ言葉で埋め尽くさない・・・なぜだ「と頭のいい奴等が問う
直観の鋭い者達は沈黙を保ったまま、ただじっと余白を見つめ続ける


自由詩 立ち上る白い煙は天空の彼方へ Copyright 狩心 2007-07-29 23:11:14
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