夢
「ま」の字
そこは陥没した土地の底だった
ふしぎにあおぞらに囲まれ
馴れ馴れとSiraketa鳥のとぶ低地
新しいだけがとりえのその土地に
湧き出る雲は白くて尽きないのでおそろしい
すうすうすうすうゆく雲のしたは
果てまで綺麗に穴が並んでいる
これ
かまどだよね?
やがて
雲の湧くあたりから列車が現れ
徐々に近づいてきて目の前で停まった
どうする?
きまり悪く顔を見合わせていると
列車はひょろりと私達をさらい
牽いてきた貨車にポンと投げ込んだ
「さあて、どうかき混ぜよう」
そら列車が出発する
次第にスピードが上がり汽笛を鳴らせば
野越え川越え ヒヤ! ヒヤ!
おお、天地はさらだぼうる さらだぼうるだ
素晴らしい
夢だ
そうに違いない
と
私達は皆
地平に怒鳴った
急カーブを曲がる度に歓声をあげ
笑いに包まれる私たち
すっかり険悪になった風に囲まれ
猛スピードで走るその先には
新しくできた穴が
真っ黒な口を開けて待っていた