極星
よつやとうじ

空き地の
錆びたエイチ鋼
水色狂気に
夕日が刺さる

眼科の前
露天の油膜
長居して
心恨んだ
バス停迷走時刻表

斜塔煙突の
複雑骨折
幽霊雑居ビル
友はくびれた屋上の
フェンスを越えた

ある病める星の
プラタナス
風の強い
日々が蘇る

無益と無垢の
間に立った
らしくないねと
云われたかった

昨日の苦悩のまま
哀悼は時刻を
狂わせ

とりわけなにもないところを掴んでしまう
そうでもしないと溺れてしまう


自由詩 極星 Copyright よつやとうじ 2004-05-22 02:52:06
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