路について
石川
後ろむきは高くつく
むこう側からやってきたひとがいう
広いみちを歩いている
たくさんのひとにまぎれ
ひとりのようで
たくさんのひとと
縦横無尽に歩いている
まなざしのさき
一寸の青がにじむところへ
羽がないので
波のうえを歩きながら
ときに
うしろがわへすすむ
高くついても
うしろがわへすすむことがある
そうして
みちを終えるとき
ふりかえり
あいとかではなく
すこしぐらい
ふりかえり
なにか
ゆるせるようにと
はんなり
ほんのり
ふかくのぞむ
自由詩
路について
Copyright
石川
2004-05-22 02:51:12