ソーダ水
umineko

あなたは私を見抜いてるでしょ?でも私は気にしない。

自転車で並んで走るっていうのはいい。歩道を並んで走るととっても迷惑でごめんなさいって思う。

自転車で並んで走ると手をつなぎたいって思ってもそれが不可能なのがもどかしい。そのもどかしさはたぶん私たちの距離で、私たちの隙間にはハンドルとかブレーキとかそういったものがあふれていて、それは意図的に私たちが仕組んだこと。

距離を保った方が友情は長持ちするってことを私は知っている。栓をあける前のソーダ水みたいなものだ。

私はあなたという液体を意識する。きゅっと栓をひねる瞬間を想像する。それはきっと望ましいもので、でもその瞬間から私たちは古びていく。小さな気泡のように、私たちの心から何かが気化し、それは小さな刺激となって私たちはそれに溺れながらゆっくりと終わっていく。

私はこわい。それからの私たちは友だちと呼べるのだろうか。

それともただ甘いだけの。砂糖水がそこにふたつ。
 
 
 



自由詩 ソーダ水 Copyright umineko 2007-07-22 10:56:01
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